デルタの万年筆

仕事上の書類をパソコンで書くようになって久しい。

ワープロ時代からなので、30年はキーボードで書類を作っていることになります。

しかし、道具好きとしては、筆記用具にこだわりがを持ちたい。

道具好きな筆記用具と言えば「万年筆」。

万年筆の発祥はフランスのウォーターマン社だとされていますが、モンブランペリカン、ラミーなど、ドイツメーカーのモノは地味な外見とは裏腹に持つ喜びを満たしてくれます。

そんな中で、今日の話題はイタリアのデルタ社。

1982年創業の万年筆としては新しいメーカーですが、太陽をたっぷり浴びた「南イタリアのオレンジ」をイメージしたというオレンジの軸が印象的なとても美しい万年筆を作っていました。

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DELTA DOLCEVITA MEDIUM

「作っていました。」と書いたのは、このデルタ社、2018年2月をもって廃業してしまったのです。加工職人が退職してしまい、製造が続かなくなってしまったということでした。1本だけですが、廃業前に手に入れられてよかったと思っています。

大きな文具店の万年筆売り場に行くと、ひときわ目を引いていたオレンジの万年筆がなくなってしまうことに残念です。

 

さて、その万年筆を使う理由。特徴を紹介しておきます。

・まず最大の特徴は、面倒くさい。

 定期的なメンテナンスが必要で、インクの補充が必要。

・インクが乾くまで少し時間がかかる。

 書いてすぐの文字に触ってしまうと、インクがにじみ、手が汚れます。

・値段が高い。

 安い万年筆もありますが、持つ喜びを満たし、書き心地のいいモノは高額です。

と、欠点ばかりのようですが、メリットもあります。

・筆圧の使い方で、様々な文字の表情が出せる。

・インクの種類が豊富で、好きな色のインクを補充できる。

・さらさらとか、ぬらぬらと表現される書き心地は他の筆記具では得られない。

・持っていて、嬉しい気持ちになる。

 

最初に書いたように仕事上の書類は、パソコンを使って作成しているので、出番はメモ書きの時ぐらいしかないのですが、文字を書く。万年筆を使う。という行為を大切にしていきたいと思っています。