夜に聞きたい
The Blue NileのHATSというアルバム。1989年の発売。
1984年にデビューして既に35年を経過しているがほとんど表に出てくることが無い謎のバンド。
わかっているのは、スコットランドのグラスゴーでポール・ブギャナン(Vo,G)、ロバート・ベル(B)、ポール・ジョセフ・ムーア(Key)の3人が結成したこと。(しかもポール・ジョセフ・ムーアは、この2枚目のHATSを最後に脱退)。
発表したアルバムは、以下の4枚とソロ名義の1枚。
- A Walk Across the Rooftops (1984)
- Hats (1989)
- Peace at Last (1996)
- High (2004)
- (Solo名義)Mid Air(2012)
当時ラジオの仕事をしていた私は、定期的にレコード会社からサンプル版を頂いていました。その中の1枚がこのアルバムです。
CDは、一枚だけ買うと、何度も繰り返し聞くのですが、同時に複数枚買うと、一枚一枚を大切に聞かなくなってしまいます。大人になって金銭的な余裕が出来ると共に、いわゆる“大人買い”をして閉まった時など、特にそう感じるモノです。さらにその当時の私のように、毎月何10枚ものCDが送られてくる環境にいると、一層その気持ちになっていたのでは無いかと思います。
しかし、そんな環境の中、なぜかこのアルバムだけはその独特の雰囲気に引き込まれ、何度も何度も聞き返しました。そしてその前のアルバム、その後のアルバムを手に入れます。
アルバムのハイライトは2曲目の「The Downtown Lights」。
いずれのアルバムも大ヒットはしていませんが、ミュージシャンの間では評判をよんでいたようで、ロッドスチュワートもこの曲をカバーしています。
ミュージシャンズミュージシャンと呼ばれています。
アコースティックな生音とシンセサイザーを組み合わせた音作りは、今聞いても全く古さを感じません。少しけだるいヴォーカルの声と相まって、特に深夜に聞くと闇に溶け込む様な感じさえあります。
4枚とも、ソロの1枚も含めて名作ですが、この2ndアルバムは、この先もずっと聴き続けていく1枚だと思います。